【告知】昭和文学会・学会発表「特集 声と再現性」

告知が遅くなってしまいましたが、告知です。

僕が所属している昭和文学会の研究集会で、発表することになりました。

和文学会  2015(平成27)年度 第56回研究集会【特集 声と再現性】
■日時:5月9日(土) 午後2時より
■会場:膻浜国立大学 教育人間科学部講義棟 7号館 101教室
■発表者:広瀬正浩、真鍋昌賢、鷲谷花(敬称略、発表順)

詳しくは学会のHP(http://swbg.org/wp/?p=816)をご確認いただけると良いのですが、僕の発表要旨については、以下に記します。

◎声優が朗読する「女生徒」を聴く ――声と実在性の捉え方――
広瀬 正浩(椙山女学園大学
近年、人気声優が朗読する近代日本文学の名作のCDやCD付き書籍が多数発売されている。声優の存在に注目が集まる今日のアニメ文化の広がりを、そこに見ることができる。この中に、花澤香菜が朗読した「女生徒」(2012年)がある。周知のように、「女生徒」(太宰治、1939年)はこれまで様々な視点から〝実在性〟が問題とされてきた。語り手である少女の非実在性・虚構性が話題になった。また、この小説が、実在した女性の日記からの大幅な引用によって構成されたという事実を受け、男性作家・太宰治の表現の政治が問われるようにもなった。ただ、声優という独特な発話主体のその声を、音響装置等を通じて聴き取ることができる立場にある今日の私たちは、「女生徒」をめぐる実在性の問題に、従来とは別の仕方で接近することができる。本発表では、音響装置と私たちの想像力との協働によって立ち上がる身体に着目し、女生徒の実在性について再考する。

とりあえず、発表の内容については、発表要旨以上のことは、今はまだ書かないつもりでいます。
発表の中で、花澤香菜さんを取り上げます。
花澤さんの声の演技も歌も本当に大好きなのですが、発表そのものは、あまり主観的にならないと思います。
僕以外の発表者は、文化史的な観点から「声」に迫ろうとしていますが、僕の発表はあまり文化史的ではないかもしれないですね。

実は昭和文学会では、2009年にも学会発表を行いました(http://swbg.org/wp/?p=172)。そのときの特集は「文学と音楽の昭和」でした。
……もう6年前ですか。

また、発表が終わったら、この場でも報告したいと思っています。