エイモス・チュツオーラ『やし酒飲み』(まだ読んでいる最中)

過去に、エイモス・チュツオーラ『薬草まじない』(岩波文庫)を読んで、これは大変面白いぞ、と思ったのですが、彼の『やし酒飲み』(岩波文庫、土屋哲訳)にはすぐに着手はできませんでした。
だけど、ようやく着手することができました。
まだ読んでいる最中ですが、相変わらず大変面白い。
主人公は、10歳になった子どもの頃から「やし酒飲み」で、父が用意してくれた、自分のためだけに思い通りにやし酒を造ってくれる人が死んでしまったのだけど、「この世で死んだ人は、みんなすぐに天国へは行かないで、この世のどこかに住んでいるものだ」という古老たちの言葉を信じて、その者の行方を探す、という物語。
アフリカの伝統的な呪術が登場するけど妙なところでリアリズムの手触りがあったり、それでいて親指から赤ん坊が生まれたり、頭がい骨に追いかけられたりなど荒唐無稽なところはあるけど主人公は粛々とそれらに対処していったり、もう本当に不思議な世界なんだけど、それらをシンボリックに読もうと思えば読めるし、不思議をただ不思議として受け止めて読もうと思えば読めるし、で、読書をしていて楽しいです。
論文に書くつもりがないから、余計に楽しく読めるのかもしれないけど(笑)。
読み終わったら、またここに感想を書こうかな。