斎藤環『キャラクター精神分析』(2011年、筑摩書房)

ぼくが尊敬している研究者・Nさんは、ブログで、自身が読んだ本の紹介・批評をなさっています。
それのマネではないが、自分がとある本をどう読み、どう感じたか(考えたか)を記録しておくことは、後の自分にとっても良いことのように感じます。
ぼくはかなりの「遅読派」なので、そんなに記録できるほどの読書はできないけれど、少しずつはじめていきたい。

というわけで、標記の本を読んでみた。

月曜日に行っている非常勤先の授業で「キャラクター」について講義することになっているので、そのために読んでみました。で、参考になりました。

ただ、一つ思うこと。
確かに現実社会の中で「コミュニケーション偏重主義」がひろがる中で、自己や他者をキャラクター化する必要が生じてきているのはわかるし、マンガやライトノベルなどのフィクションの中でどのようにキャラが構成されているかという説明もわかる。
でも、キャラクターをめぐる想像力について(この上の二つに関しては)レベル分けすべきだと思います。
いくら現実のシミュラークル化とはいえ、キャラクターをめぐる人々の立ち位置は別次元なんだから。