コミュニケーションの物語

金曜日のゼミは、村上春樹神の子どもたちはみな踊る」と太宰治トカトントン」について、二人の学生がそれぞれ発表してくれました。

2作品の共通点を強引に指摘するとなると、それは「コミュニケーションの物語」ということになるかもしれない。「神の〜」は主人公の善也が母や「父」との関係を通じて自分の中の暴力的なものに自覚していく物語だし、「トカ〜」は何事においても冷めちゃう人間が自分の好きな作家にそのことを打ち明け、それを作家が受け止める(受け止めきれていないが)という物語。

今回発表してくれた学生さんは、とりわけ村上ファン・太宰ファンというわけではないと思うが、今回の研究&発表をスタート地点として、各自の関心ある領域に飛び込んでいってほしいですね。

次回のゼミは、太宰の「ヴィヨンの妻」と「親友交歓」。担当の人、がんばってね。