第1回シンポジウム(アニメ・マンガ研究支援プロジェクト)、終了
昨日は、学部内で今年度立ち上げた「アニメ・マンガ研究支援プロジェクト」の第1回シンポジウムを開催しました。
2部構成になっており、第1部では、僕と小林貞弘先生とによるクロストーク「アニメ論・マンガ論の過去・現在・未来」でした。
小林先生は映画史を専門にしていて、僕は現代日本文学を専門にしていて、それぞれ専門の異なる者同士が、それぞれアニメやマンガをどう捉えているのか、という内容の話でした。
両者とも、研究のスタート地点に『エヴァ』があるという点が、あ〜世代的なものなんだな、と思いました。
小林先生のほうが少しだけ僕より年上ですが。
小林先生は「逃げちゃダメだ」で、僕が「気持ち悪い」。……それぞれが影響を受けた台詞です。
トークの中では、以下の5冊を具体的に取り上げ、アニメ論・マンガ論としてどのような意義があるのかを語り合いました。
この5冊のセレクションは、「学生にとっても入手しやすいし、読みやすい」という基準で行いました。
・東浩紀『動物化するポストモダン』(2001)
・夏目房之介『マンガはなぜ面白いのか』(1997)
・伊藤剛『テヅカ イズ デッド』(2005)
・スーザン・J・ネイピア『現代日本のアニメ』(2000→2002)
・『ユリイカ』Vol.43-12「総特集:魔法少女まどか☆マギカ」(2011)
単独で喋る授業とか研究発表とかは、やり慣れているのですが、クロストークというのはほとんど初めてだったので、すこし気を遣いましたが、でもとても面白かったです。
小林先生、ありがとうございました。
第2部は「学生による研究プロジェクトの紹介」で、アニメやマンガについて卒業研究しようと考えている4年生の学生3人に、それぞれのテーマについて報告してくれました。
作品論あり、受容論あり、メディアミックス実践あり、で、多様な発表を聞くことができました。
普段は、同学年で構成されるゼミという枠の中でしか発表したことない3人が、そういった枠を超えてさまざまな人と意見交換ができたのは良かったと思いました。
終了後は、後輩たちが3人に話を聞きにいったりしていたし。
今回の裏テーマは「脱・個人戦」でした。
日頃1人で研究をおこなっている(個人戦をしている)学生や教員が、お互いに意見や情報を交換し合いながら、研究を進めていくということ。
この裏テーマは、多くの人にも理解してもらえたみたいで、それも僕は嬉しかったです。
次回はいつできるのだろうか。
今度もまた、いい会が開けるといいなあと思います。