また、ミク、なのです。

7月26日(木)の「日本文学史(近代・現代)」は、前期最終講でした。

僕は昨年度から、文学史の最後の授業では初音ミクの自作曲を流すというノルマを自分に課していました。
なぜか? 多くの人に聞いてほしいからです。

しかし、みんなにとって貴重な授業の時間を、僕自身の自己満足のために割くというのは、よろしくない。
だから、「やっぱ、ここでミクの曲聴いておかないといけないよな〜」という状況を作り出す必要があるわけです。
つまり、ミクの曲を流す必然性を授業の中で作り出さないといけないわけです。

そこでかねてから計画していたとおり、最終講では「今を生きる私たちを取り巻く現代の物語」というものに焦点を当て、「スピリチュアリズム」に注目してもらいました。

そして、自作の曲においては、死者の声なき声を録りためようとする意志を持つミク自身を歌った歌詞を用意し、それをミクに歌ってもらいました。

もともと授業の最初の時に、歴史の持つ虚構性に注目させ、出来事の歴史化の過程で少数者の体験が「なかったこと」にさせられていくこともある、という話をしてあったので、「死者の声なき声を録りためよう」というミクの主体性というものも、この文学史の授業の流れに沿うものであった、と言うことはできるわけです。

これが僕の用意した、必然性、です。

しかし、ただ作った曲をそのまま流すのでは芸がないので、Ableton Liveのセッションビューで、Novation Launch Padを使ってリアルタイムで音を積み重ねていくという“演奏”を披露することにしました。

学生からは「良かった」というお世辞の言葉を、とりあえずもらっておきました。
……お世辞だというのは、分かってますよぉ!

後期もまた、いろいろな授業を抱えています。
またどこかでお披露目をすることができれば、と思っています。

……そう思っているのなら、動画投稿サイトにupすればいいのに、という説もあるのでしょうが。