『デュラララ!!』と、「つながり」の可視化
昨日は「テクノロジーと文学」という授業で、『デュラララ!!』を扱いました。
今回のテーマは「ネットの動員力」。
まずは津田大介の『動員の革命』(2012年、中公新書ラクレ)に言及。
津田さんの論は、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアが、デモや反政府運動などに参加しようとする人々の行動(生身の身体の運動)を後押しするもの(=「背中を押してくれるメディア」)として機能してくれるんだ……というものです。
しかし、それはそれであるとしても、
誰かの背中を押すとかいうレベルではなく、ソーシャルメディアの利用そのものの中に潜んでいる可能性というものもあるのではないか、と。
つまり、メディアを通じて誰かとつながっている、という、「つながり」それ自体が可視化されることによって発動される破壊力・暴力性というものがあるのではないか? と。
……というような観点で、
アニメの第11話(電撃文庫版でいくと第1巻の最後あたり)の、ダラーズの“結集”に注目させました。
授業で『デュラララ!!』を扱うということ自体が、やはり、学生たちにとっては嬉しかったみたいで、授業後に書いてもらうミニレポートにもそういう反応が記されてありました。
『デュラララ!!』に関して言えば(いや、それ以外のアニメ作品でも)、
物語内容そのものへの関心もさることながら、声優さんへの関心がみんなにとっては強くあるみたいで、今日も声優さんが誰か、みたいなところで盛り上がってもいました。
……いやいや、気持ちは分かるけど、今回のテーマは「動員」ってことだからね、と言いたいけど。