『アルテス』Vol.2(2012 Spring)

ちょっと古い雑誌になるのですが、昨日、新年会に行く前に書店で、

  『アルテス』Vol.2 (2012 Spring)、アルテスパブリッシング、2012年4月

というものを買いました。特集は「アップルと音楽」です。
自分自身、Macユーザーだし、iPhoneも、iPod Touchも、iPadも持っているから、そしてそれらを通じて音楽文化に触れているから、こういう特集が立つことには、それなりに必然性は共感できます。

いくつか論考が寄稿されているなかで、最初に興味をもったのは、

  谷口文和「音楽家Macを選ぶ?」

という文章でした。
谷口さんは雑誌『サウンド&レコーディング・マガジン』の掲載内容に注目し、多くのミュージシャンがMacを使っていることを言及しながら、音楽制作ソフトウェアの操作性や構造がミュージシャンの創作実践を規定しているということ、かつては専用ソフトウェアはMac専用であったが今日はウィンドウズPCにも普及しているということ、にもかかわらず「音楽家Macを使う」というイメージがあり『サンレコ』のMacユーザー偏重はそうしたイメージを補強する、みたいなことを述べておられます(要約間違っていたら、すみません)。

僕はこれを読み、「なるほどね」と思う一方、物足りないというか。

まず、最後まで読み、「……で、何が言いたいの?」という思いに囚われてしまう。……これって、ちゃんと続きを書いてくれるんでしょうね? という感想。

次に、「結構『サンレコ』はウィンドウズPCユーザーを取り上げているけどなあ」という感想。LAMAの牛尾さんとかcapsuleの中田さんとか、Mac OS じゃないでしょう。

それと、Macと周辺機器との接続の設定がわかりやすいという利点が、(実はコンピュータのことにそれほど詳しくないというか、細々したことを煩わしく感じる)ミュージシャンにとってすごくありがたい、という側面もあるのにな、という感想です。


でも、技術やその技術をめぐるイメージが、ユーザーの感性を形成するという話は、ちゃんと耳を傾けておかなければならない。
その意味で、谷口さんのこの文章で勉強させていただきました。