花澤香菜「透明な女の子」を聴いて

僕にとって2015年は、花澤香菜さんの歌声を聞き、そして研究対象として考える……という1年でした。
いやあ、充実していました!

ご縁があって、日本武道館での公演を鑑賞し、名古屋公演も鑑賞し、歌声をライブで楽しむことができてよかったです。
そして、研究においては、「昭和文学会」という学会で花澤さんの朗読について研究発表する機会を得て、
(それについては、http://d.hatena.ne.jp/toyonaga_ma/20150413/1428854881
その発表に基づいた論文も書くことができました。
広瀬正浩「声優が朗読する「女生徒」を聴く 声と実在性の捉え方」『昭和文学研究』第71集、2015年9月、昭和文学会)

そして2016年ですが、まずはシングルが発売されましたね。『透明な女の子』。
初回限定盤のジャケットだと、花澤さんが髪を金色に染めている写真が載っていて、それが少し話題になっていました。

聴いて思ったのは、(あくまで個人的な印象ですが)今までの曲よりも、ボーカルの部分が聴きやすいなあ、ということでした。
これはどういうことかというと、(あくまで個人的な印象ですが)今までの曲よりもボーカルにコンプレッサーがかかっていない感じになっていて、つまり、「音圧上げてます」感が少なくなっているので、声が伸びやかに聞こえるのです。
その伸びやかな声の聴感のため、自由に歌ってるなあ……というイメージを持ちやすいのです(あくまで僕の中での印象)。

もちろん今までの曲だって、そんなにコンプがギンギンにかかってはいなかったとは思います。
でも、たとえばの話、花澤さんの声の魅力の一つとされる「ウィスパーボイス」にコンプがかかって音圧が上がっていても、聴いていて「囁かれているわー、癒し感じるわー」とはなりにくいでしょう。

というわけで、今までの曲よりも聴きやすいので(ヘッドフォン聴取の感想)、これからも何度も聴きたいと思います。
僕は、タイトル曲よりも、2曲目に収録されている「パン屋と本屋」のほうがお気に入りです。