ラブコメ論、だんだん見える
このブログでもたびたび問題にしてきた、日本文学史とラブコメ。
タイトルは「近代文学の(不)可能性としてのラブコメ」でやろうと思っているわけですが、具体的にはどういう授業をするか、自分のなかでだいぶイメージができてきました。
ラブコメでモチーフになりそうなテーマをまずは設定して、そのテーマを扱っていそうな今昔の作品を分析して比較して〈近代〉と〈現代〉を考える、みたいな感じになるのかな。
【a】恋愛における「身分」「立場」の違い
(1)高橋留美子『めぞん一刻』
(2)二葉亭四迷『浮雲』
(3)尾崎紅葉『金色夜叉』
【b】少女に対する幻想
(1)森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』
(2)田山花袋『蒲団』『少女病』
【c】翻弄する女と翻弄される男
(1)谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』
(2)谷崎潤一郎『痴人の愛』、太宰治「カチカチ山」
【d】他人の恋愛との向き合い方
(1)竹宮ゆゆこ『とらドラ!』
(2)夏目漱石『こころ』
(3)武者小路実篤『友情』
【e】女の子同士の世界
(1)蒼樹うめ『ひだまりスケッチ』
(2)吉屋信子『花物語』
もともとは『とらドラ!』を堂々と授業で扱いたいというモチベーションからこの計画が始まっているわけだし、『こころ』『友情』と並べるというのは、まあベタだけどアリかな、と。
『めぞん一刻』や『ひだまりスケッチ』は文学ではない、という指摘は、……受け付けません(笑)!
『ひだまりスケッチ』ではなく『けいおん!』でもいいのかもしれないけれど、『ひだまりスケッチ』を堂々と授業でやるというところに、ゾクゾク興奮できるポイントがあるんですけどね。
あと、「兄と妹という関係」というテーマで、伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』と室生犀星『あにいもうと』とかを並べてみるというのも、少しは考えてみました。
でもちょっと、マニアックな感じが出てしまうかなとも思い、躊躇中です。
こうした構想をブログに載せたのは、「あわよくばいろんな人の意見を聞いてみたい」という僕の願望があるからです。
数少ない読者の皆さんの中で、もしご意見がございましたら、どうぞお聞かせください。
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