文学・読書

ラブコメ論、だんだん見える

このブログでもたびたび問題にしてきた、日本文学史とラブコメ。 タイトルは「近代文学の(不)可能性としてのラブコメ」でやろうと思っているわけですが、具体的にはどういう授業をするか、自分のなかでだいぶイメージができてきました。ラブコメでモチーフ…

ラブコメ論、なんとかいけそう!

来年度はいろいろあって、今年よりも大学で担当する授業が少なくなりそう。 (ていうか、今年がイレギュラーに多かった。徹夜もそのせいだぁ!) もちろん、3年・4年のゼミはしっかりあるし、卒論指導もバッチリやるつもりだけれど、講義の授業が少なくな…

ラブコメ再考

この僕のブログを読んでくださっている方から、ラブコメについていろいろ意見を頂戴しました。・モーツァルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」 ・ドニゼッティの「愛の妙薬」 ・森見登美彦「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」などありがとうござい…

ラブコメって何?

表題のように「ラブコメって何?」なんて書くと、ラブコメというものについてイチャモンつけているような、そんなニュアンスに読めるかもしれない……。でもそんな意図は、毛頭無いです。ラブコメというものについて、考えてみたいなあと思っているのです。し…

アゴが、強調されている!

僕個人としては、次の課題に取り組んでいきたいと思っているところですが、あの例の「けいおん!」シンポは、そんな僕の後ろ髪(←ないけど)を引っぱってくる。「朝日新聞デジタル」の「小原篤のアニマゲ丼」というところで、シンポが取り上げられているんですよ…

1週間前を振り返り

ああ、「けいおん!」シンポから1週間が経ったのですか。その間、全然ブログを更新しませんでしたね。あのシンポに来場されていた方のどなたかが、どうやら詳細にメモをとられていたようで、シンポのレポートのようなものとしてネットの掲示板にあがってい…

「けいおん!」シンポジウム、一昨日終了!

一昨日(9月8日)は、あいち国際女性映画祭で、映画「けいおん!」の上映とその後のシンポジウムに「パネリスト」として参加してきました。 いやぁ、終了してホッとしました。 終電にも間に合い、朝帰りすることもなくホッとしました。 今までずっとパネル…

「けいおん!」シンポ、いよいよ明日。

表題にもあるように、いよいよ明日、「けいおん!」のシンポジウムがあります。 現在、口頭原稿をまとめているところです。会場となる「ウィルあいち」というところは、男女が社会に共同参画していくことを支援する組織の拠点です。 そこで行われる「あいち…

広瀬正浩「昭和文学と音楽」

久々のブログ更新です。 さて、昭和文学会の機関誌『昭和文学研究』第65集(2012年9月)に、研究動向「昭和文学と音楽」を寄稿しました。昭和期に生まれた文学作品と音楽との関係を対象とした文学研究/批評について紹介する、という趣旨の文章です。本文に…

田中ロミオ『人類は衰退しました』(小学館ガガガ文庫)

いま大変面白く読んでいます、田中ロミオ『人類は衰退しました』。……まだ4巻の途中なんですけどね。 アニメもやっているし、僕の周りの人も話題にしていたので、どんなものなのかと。2巻まで読んだ時点で、「あ〜、この妖精さんたちって、オタクを象徴して…

平野啓一郎『決壊』(新潮文庫)

結構前の小説なのですが、後期の授業で取り上げたいと思い、初めて読みました。 平野啓一郎『決壊』2008年、です。 上下巻の長い小説なのですが、割と一気に読めました。といっても、通勤電車の中で読んで3日かかりました。ある一人の男がネット上で書いて…

僕は不勉強さ

久しく、ブログを書いていませんでした。 しかし、別に、何もしていなかったわけでは、もちろんありません。 (していないことのほうが多いけど)大学の前期の授業も、少しずつ終わりに近づいてきています。 それに向けての授業準備とかがたくさんあったので…

小島信夫「アメリカン・スクール」のアクチュアリティ

先週と今週の「日本文学史(近代・現代)」という授業の中で、小島信夫「アメリカン・スクール」(1954年)という小説を取り上げました。ご存知の方も多いとは思いますが、「終戦後三年」の日本人英語教師のドタバタを描いた小説です。 この小説の中には、ホント…

第1回シンポジウム(アニメ・マンガ研究支援プロジェクト)、終了

昨日は、学部内で今年度立ち上げた「アニメ・マンガ研究支援プロジェクト」の第1回シンポジウムを開催しました。2部構成になっており、第1部では、僕と小林貞弘先生とによるクロストーク「アニメ論・マンガ論の過去・現在・未来」でした。 小林先生は映画史を専…

「けいおん!」シンポジウム  男なんていらない!?

この穏やかならざるタイトルに、目を(心を)奪われた人もいるのだろうか。毎年開催されている「あいち国際女性映画祭」において、「映画祭初のメジャーアニメを上映し、若者たちのジェンダー認識について議論します」というイベントが行われます。 それが………

妖狐×僕SS

最近学生に勧められて読み始めた『妖狐×僕SS』(いぬぼく)。 とても切なくて切なくて、気がついたら一気読み&反復読みしています。ループものというか、転生ものというか、いわゆるそういう系なんだけれど、前世との連続性(あるいは断絶性)にどう折り合…

日本近代文学会東海支部 第44回研究会

昨日は、学会(支部例会)でした。 簡単に、その報告です。 _____________________ 日本近代文学会東海支部 第44回研究会 2012年6月30日(土)愛知淑徳大学星ヶ丘キャンパス・五嶋千夏(知立東高校) 「「ポラーノの広場」と1920年代後半の産業組合 組合意識…

エウレカセブンAO

今の自分の関心について、少し整理。学部時代は堀辰雄研究をしていて、卒論には『美しい村』を扱いました。 この小説は、メタフィクション的なところがあるんですが、この小説の構造の問題を、「堀にとって馴染みのある軽井沢を舞台にしている」という問題と…

宇佐見毅・千田洋幸編『村上春樹と一九九〇年代』

宇佐見毅・千田洋幸編『村上春樹と一九九〇年代』(おうふう、2012年) 今日、編著者のかたから送っていただきました。ありがとうございます。僕自身はこれまで村上春樹について論文を書いたことはないですし(村上龍についてならある)、まともに考えようと…

昨日は研究会

昨日は、身体文化論研究会でした。 Bさんによる単独の研究報告でした。 「風景写真」というものと身体の関係を問うものでした。写真というと「真を写す」というイメージがあるのですが、 銀塩時代もデジタル時代も、基本的に「真」なんてもんはないんだ、と…

広瀬正浩「初音ミクとの接触」

広瀬正浩「初音ミクとの接触 “電子の歌姫”の身体と声の現前」 (『言語と表現ー研究論集ー』第9号、2012年3月、椙山女学園大学国際コミュニケーション学部)3月に発表し、4月初旬に抜き刷りができていたんだけど、その抜き刷りをようやく発送できるように…

研究会での発表

昨日は、仲間内でやっている身体論の研究会で発表をしてきました。自分がこれまで書いてきた論文や喋ってきた話題をまとめてそれを紹介するというものでしたが、僕自身の詰めの甘さも原因の一つだったとは言え、多くの意見が飛び交う活発な議論が行われまし…

ラカンの三界、とかじゃなく

初音ミクを論じた僕の文章が、3月には活字化されると思います。 (校正するために明日大学に行くんですけどね)虚構世界とか虚構的人格とかが扱われる際に、いつもラカンの想像界とか象徴界とかが持ち出されてくるという現状に、僕はちょっとイラっときてい…

大量の本との戦い

今日は健康診断があったので、久々に大学に行きました。 すると、注文していた本が大量に届いていました。 夏休み中に読もうと思ってたくさん注文してたんだけど、もうあと1週間余りで夏休みが終わってしまう。 どの程度読めるのだろうか。そして、そろそろ…

小島信夫研究

昭和文学会の機関誌『昭和文学研究』第63集(2011年9月)に所収の「研究動向 小島信夫」(執筆・立尾真士)に、僕の論文が2本紹介されました。 「通訳者がいることの意味 言語関係をめぐる『抱擁家族』の問題性」(『名古屋大学国語国文学』2000年12月) 「…

大澤真幸『量子の社会哲学』を読んで

今日は読書会でした。義母の協力があり、子どもの面倒を今日だけ免除してもらい、読書会に参加することができたのです。 (お義母さん、ありがとうございます) 今日の課題図書は、大澤真幸『量子の社会哲学』(講談社)です。 「観測」に先立って出来事があ…

楳図かずお、語る。

朝日新聞の朝刊の文化欄で「過去からの予言」という特集があるのですが、その2011年8月23日付の紙面に、楳図かずおへのインタビュー記事が載っていました。 1972年の「漂流教室」も、今度の震災との絡みで位置づけられているわけですが、僕としてはやはり当…

読書会

仲間内でやっている読書会があります。 もともとは発起人の1人だったんだけど、家庭の事情で、最近はなかなか参加できていません。 今度も参加できるのかなあ。したいんですけどね。 行けるかどうかは分からないんだけど、課題図書である大澤真幸『量子の社…

電子書籍について考える

眠い。今とても眠いわけですが、なぜ眠いかというと、ろくに寝ていないからです。 では、なぜ寝ていないかというと、「日本文学史」の授業の補講が今日ありまして、その準備にずっと追われていたからです。寝たのは午前3時40分で、起きたのは6時ですよ! …

日文協の大会

今日は、日本文学協会の大会が名古屋大学であったので、朝から参加してきました。 僕は近現代文学を専門にしているので、近現代の研究発表を中心に見てきました。複数会場で同時展開されていましたので、すべての発表を聞いたわけではないのですが、僕が聞い…